DATE: 12/27/2017
おはようございます!
三重県志摩市英虞湾で、
アコヤ真珠の養殖をしている、
坂口るり子です。
各産地では、いよいよ真珠の浜上げが行われて、
入札会も開催されています。
我が家の工場でも、
水温や真珠の仕上がりと相談しながら、
ギリギリまで我慢していましたが、
入札会日程の都合もあり、
ついに浜上げを行いました。
北風吹く中、沖の漁場で、
貝の入った重いネットを揚げに行きます。
最後の化粧巻きと呼ばれる仕上げのため、
掃除をせずじっと海の中で冷えていったアコヤ貝たちは、
汚れもビッシリ、貝もグっと重くなっていて大変です。
ネットから振り出し、
ひとつひとつ手作業で貝殻をあけていきます。
片方の貝殻を取りさった後、
さらにナイフで、
真珠の入った貝肉と、副産物である貝柱とに分けます。
貝殻をあけながら、
時にひとつふたつ、手元で真珠を取り出してみて、
貝の状態や、
真珠が正しい位置におさまっているかなど、
今後の為にしっかりチェックします。
職人の腕を磨く為の、大切な確認作業で、
真珠の品質の成績発表同様、
大人になっても、毎年通信簿を貰っている心境です(笑)
貝殻から外された貝肉は、
輪転機と呼ばれるミキサーで遠心分離され、
中から真珠だけを取り出します。
ミキサーにかけられた貝肉は、
海に流さず、すべて機械で濾し取り、
畑や果樹の肥料として活用し、
大切な海を守っています。
取り出された真珠は、千差万別。
すべてが完璧な美しい真珠は、ほんの一握りです。
この結果に一喜一憂する日々ですが、
やはり養殖屋にとって、浜上げは特別な瞬間!
あと少し、この時間を過ごして新しい年を迎えます。
志摩市英虞湾より 坂口るり子