注意喚起

花珠に関する注意喚起

昨今、アコヤ真珠のネックレス等の販売において、「花珠」という日本の真珠業界において大切な用語が、本来の意味からかけ離れた意味で使用されている状況がみられます。

本来、真珠業界で長年使用されている「花珠」とは、「アコヤ浜揚げ珠のうち最も品質の優れたもの」を表する用語であり、製品化されたアコヤ真珠に用いられる用語ではありません。

近年、市場では業界としての統一された品質基準のないまま製品化された様々な品質のアコヤ真珠が「花珠」として扱われており、 鑑別機関が発行している「花珠鑑定」「花珠鑑別」といわれているものの中には従前より真珠業界内で使用されてきた「花珠」の意味と明らかに異なるものもあり、 さらに、一部の鑑別機関では、シロチョウ真珠やクロチョウ真珠まで「花珠」の呼称を使用しています。

上記の如き現状において、「花珠鑑定、鑑別」=「最高品質の真珠」を意味するものでは必ずしもなく、販売時に、 「花珠鑑定、鑑別」がついていることのみをもって「最高品質の真珠」であると説明することは、消費者に対する説明不足であることを否定できず、 消費者に誤解や混乱を生じさせ、ひいては日本のアコヤ真珠に対する信用を失わせることになりかねません。

「最高品質の真珠」として消費者に説明し販売できる真珠であるかどうかは「花珠鑑定、鑑別」がついているか否かにかかわらず、 販売する各社の真珠の専門家としての自覚と責任に基づき「花珠」の本来の用語意味を外れ消費者の信頼を損なうことがないように真摯に対応して下さるようお願い致します。

追記:
近年、「花珠」以外にも様々な用語、呼称を鑑定書、鑑別書に表記する事例が、アコヤ真珠のみならず、シロチョウ真珠、クロチョウ真珠等にも見受けられます。 鑑定(= グレーディング)を行うのはダイヤモンドのみ、鑑別書には科学的データのない用語、呼称は記載しない、というのが世界の宝飾業界のルールとなっています。 この件につきましても、真珠を販売する各社、各店の適切な対応をお願い致します。

中国産有核淡水真珠の呼称、識別に関する注意喚起

近年、中国産淡水真珠において、有核で球形に近い真珠が大量に養殖されています。

これらの真珠を「チャイニーズアコヤ」「ベビーアコヤ」「フレッシュウォーターアコヤ」などと称して販売されている事例が報告されています。

米国ではAGTA(米国宝石取引協会)の機関誌において、 「チャイニーズアコヤに騙されるな」~Don’t Be Fooled by “Chinese Akoyas”—They’re Actually Bead-Nucleated Chinese Freshwater Pearls~という記事が掲載され、 日本産アコヤ真珠と混同しないように注意喚起を促しています。

中国産有核淡水真珠は、これまで主流であった無核淡水真珠に比べ球形率が高く、小さなサイズではアコヤ真珠と、大きなサイズではシロチョウ真珠、 クロチョウ真珠と肉眼での識別が困難なものも流通しています。さらにそれらの真珠と混ぜられて流通する実例もあり、真珠業界において問題視されています。

つきましては、真珠を販売、購入する際には必ず母貝種名(アコヤ、シロチョウ、クロチョウ等)を明確にし、店頭、広告等における商品名の表記、 納品書等の取引書類にも母貝種名の記述を徹底するようお願い致します。