DATE: 10/24/2017
おはようございます!
三重県志摩市英虞湾で、
アコヤ真珠の養殖をしている坂口るり子です。
台風21号は、英虞湾に大きな爪痕を残し、
過ぎて行きました。
台風一過の朝、
雨は上がるも暴風はなかなか止みません。
そんな中、
出来る限りの復旧作業に明け暮れる英虞湾の面々。
工場へ続く道は、土砂崩れ。
倒木や枝を片付けてやっと車が通るも、
たどり着いた工場は、見事に高潮被害(ToT)
石垣を乗り越えて打ち寄せた波で、
工場の周囲は漂着物でいっぱいです。
流木や壊れた筏の残骸、生活ゴミ、
海の為にもアコヤ貝たちの為にも、
すべて引き上げ片付けます。
私の工場は、床下浸水の高潮被害のみでしたが、
桟橋が落下した仲間の工場では、必死の力仕事。
「作業屋形の屋根が吹き飛んだ!」
「筏が切れた!」
…などなど、まだ被害の全容は見えません。
大切なアコヤ貝たちも、
沖の漁場は高波のためまだ確認が出来ず、
ヤキモキするばかり。
工場近くの筏に吊り下げたアコヤ貝たちは、
流れ込んだ泥水で濁った海の中、
ギュッと貝殻を閉じて耐えています。
大雨に備え、
いつもより深い水深まで吊り下げて対策を取っていたものの、
海水を採取して比重を測ってみると…
強風吹き付ける中、
ライフジャケットを頼りに、
筏の上を這うように、
更にロープを足してアコヤ貝たちを深いところへと、
大至急吊り下げました。
読みが甘かった!
もっと危機感持って対策しておくべきだった!
と、猛省です。
対策を怠った近隣の工場では、
更に一晩が経ち、
貝に異変があり危険な状態になったとか。
海の中で自然に生きている生き物たちと違い、
私たちの勝手で養殖され、
自由のきかないアコヤ貝たちの命は、
私たちの適切な管理に委ねられていることを
忘れてはいけないですね。
更に仲間から!
「ウチの沖の漁場のフロートの錨が切れてる」と(連絡が)。
知らせてくれてありがとう!
平常を取り戻すまでには、
時間がかかりそうな英虞湾ですが、
既に台風22号の影も見えはじめています。
今しばらくは、落ち着かない日々が続きそうです。