おはようございます!
三重県志摩市英虞湾で、アコヤ真珠の養殖をしている、坂口るり子です。
春の嵐に満開の桜の花びらが舞っています。花筏を分け、アコヤ貝を積んだ船が続々と英虞湾へと入って来ます。
帰って来たアコヤ貝達の元気な様子に、まずはひと安心。養生させた後は、冬の間の汚れの手入れやカゴを入れ替え、いよいよ本格的なシーズンインです!
しかし、三寒四温とは良く言ったもの。今日の英虞湾は波も高く、北風が吹く寒い一日。こんな日は、大切なアコヤ貝達にはジッと待ってもらいます。春本番になったら、一緒に頑張って下さいね^ ^
さて、こんな日はまた少し環境のお話。
SDGsとかエシカルとか、私達養殖屋には聞き慣れないワードですが(笑)海と共に生きる私達には自然と身についている暮らし方かもしれません。
命と引きかえに美しい真珠を生み出してくれるアコヤ貝。産廃やゴミなどという言葉では決して語りたくありませんが、真珠を取り出した後には、大量の貝殻や貝肉が残ります。海を守るためにも、これらの処理は大切な仕事です。
大量の貝殻は、その美しい殻を螺鈿細工や貝ボタンに利用するため、大きな袋に詰められて旅立ちます。
真珠を取り出した貝肉は、細かく砕いて春まで
塩出しした後、自家栽培のミカンの木の周りに、肥料として埋めて利用します。
真珠を取り出した際の細かなゴミも、しっかり沈殿させ、ゴミに混じったケシを選り分けた後、畑の肥料に利用しています。
難しい言葉で環境について語るより、祖父の代から自然とやっていたごく当たり前の暮らしの一部。これからもずっと、この美しい海で美しい真珠が生み出されるためにも、いい加減には出来ないですね!