DATE: 12/14/2016
おはようございます!
三重県志摩市英虞湾で、
アコヤ真珠の養殖をしている
坂口るり子です。
英虞湾に響いていた輸送船のエンジン音も、
次第に聞こえなくなってきました。
冬の準備が整うと、
いよいよ真珠の浜揚げシーズン到来です。
すでに他県では、続々と真珠の浜揚げが行われ、
その売買取引である入札会も始まっています。
そんなとある日・・・
養殖場を見学したいとのご依頼があり、
外国からのお客様を案内しました。
アコヤ真珠の魅力を少しでも身近に感じていただきたくて、
核入れ作業の道具を手に取って見ていただいたり、
これから浜揚げ予定の貝から、
真珠を取り出して見ていただいたりと、
言葉の通じないながらも、
喜んで見学して貰えたようでホッと一安心^ ^
すると、お客様が差し出したスマホの翻訳アプリが、
「インターネットのお姿と同じですね」と言っています。
(?! ・・・ 何の事だろう??)と、
最初は皆意味がわからなかったのですが、
よくお話を伺うと、
このblogをご覧になっているとのこと!
仲間からは、
「お前のあの詐欺みたいなプロフィール写真で
よくわかったな(笑)」
とからかわれましたが、
私は何より、
アコヤ真珠の情報発信が、
遠く外国のかたに届いていたんだという
驚きと嬉しさでいっぱいになりました^ ^
お客様が帰ると一転・・・現実と直面!
見学のために取り出してみた真珠を眺めつつ、
うーむ(u_u)
真珠の仕上がり具合にまだまだ納得が‥。
アコヤ真珠の養殖には、「化粧巻き」と呼ばれる
浜揚げ前の大事な仕上げのようなものがあります。
それは、仕上げと言ってもすべては自然まかせ。
貝掃除をはじめ、
今まで手塩にかけて管理してきたアコヤ貝たちを、
静かに見守るしかありません。
アコヤ貝たちに刺激を与えないよう、
じっと何もせず‥。
海水温が徐々に下がってゆく海の中で、
アコヤ真珠のあのきめ細やかな美しい色テリは生まれます。
真珠を抱いたアコヤ貝たちと、
冬を迎えた静かな英虞湾の海の力無くしては
完成しないんです。
真珠の浜揚げのタイミング・・・
入札会の日程・・・
カレンダーと睨めっこしても答えは出ず(>_<)
この矛盾や葛藤を話すとき、
少なからず眉をひそめる方もいると思います。
しかしながら、
そこは誤解を恐れずあえて、
自分の未熟さをさらしつつ!
地球温暖化勘弁してください、
入札会までに珠出来ません、
早いです(笑)
でも、言い訳してもいられません
無事浜揚げをして、
無事一年を暮らすために!
あと少しの我慢くらべ!?