DATE: 12/05/2016
おはようございます!
三重県志摩市英虞湾で
アコヤ真珠の養殖をしている
坂口るり子です。
日の出とともに、
英虞湾に船のエンジン音が響いています。
英虞湾は今、冬の準備に追われています。
三重の冬は比較的温暖で、
大雪が降ったりすることはあまりありませんが、
長崎や愛媛の真珠の産地に比べ、
大きな寒波がやって来て、気温が下がったり、
黒潮の蛇行が変化したりすると、
海の中の水温は、
アコヤ貝達が生きていられる
限界の温度を下回ってしまいます。
アコヤ貝達を寒さから守る方法は…
移動しかありません。
冬の水温が、英虞湾より温暖な漁場へと、
アコヤ貝達を漁船に載せて運びます。
避寒と呼ばれるこの作業は、
養殖作業の中でも、かなり大変な作業です。
英虞湾の筏に吊された貝のカゴを海から揚げ、
漁船に積み、
太平洋上を約1時間の航海、
南部の漁場にある筏へと輸送します。
体力勝負の作業ですが、
それより大変なのが、天気を読むこと!
命を守るために最も大切なことです。
リアス海岸の英虞湾を出ると、
沖に広がるのは太平洋。
湾内とは比較にならない海の厳しさがあります。
経験からお天気を読み沖を眺め、
いざ荷を積み出航しますが、
これまで幾度となく、
高波や強風にさらされ命拾いしてきました。
養殖仲間達には、いつもからかわれますが、
怖がりの私はこの航海が大嫌い(笑)
出来ることなら行きたくない・・・
でも!、行かなきゃ!!
大切なアコヤ貝たちの命を守るために