お知らせ / NEWS

2023.09.11 お知らせ / NEWS 真珠だより ― 横田伸之SPの真珠こぼれ話

写真、動画で伝えきれない部分を伝えるのがプロの仕事

先日のSA定例会で越境ECについてお話しさせていただいた際に、あるご質問を頂戴しました。
『来店するバイヤーがLive動画で商品の紹介をする際に品質の担保となるよう鑑定書を付けて欲しいと言っているがどう対応するべきか?』という内容でした。

その時には時間の関係で手短にお答えしましたが、これはもっと丁寧にお答えすべき内容だと思い、後日改めて文章でご回答させていただきました。

これまでの写真に加え動画で商品の紹介をする機会が増えている昨今、同じような状況に直面している方も多いと思われますので、ご質問者の同意を得てここにご紹介させていただきます。
Live動画ではもちろんのこと、いくら画質が良くても写真や動画で真珠の表情を100%伝えることは不可能です。
特に品質の差が小さい場合の比較はほぼ不可能です。色味も見た目の通りには伝わりません。

写真、動画で伝えきれない部分を伝えるのがプロの仕事です。
それは売り手(貴方)がバイヤーさんにご自分の言葉で品質の説明をするということであり、
またバイヤーさんはバイヤーさんで顧客がいる以上プロなのですから
Live動画で伝えきれない部分は彼ら自身の言葉で顧客に説明をしなければなりません。

鑑定書が付いていれば売りやすいことは確かですが、あくまでも一般的なイメージとしてきっちりとした担保になると思われているだけで、実際は完全な担保にはなり得ません。

例えば同じサイズ、同じ種類の鑑定書が付いていても価格が倍ぐらい違うものも珍しくありません。
鑑定書の内容がほぼ同じなのに品質(価格)が違うという状態が担保になるのか?ということです。
鑑定書の写真が現物と一致しているかどうかも現状は確認のしようがありません。

ご商売ですから鑑定書を付ける付けないは販売店独自の判断で良いと思いますが、真珠検定の倫理に則れば鑑定書を付けて売る場合もご自分の言葉で品質の説明をするべきですし、そのことはまた将来的に中国でも鑑定書が完全なものではないという知識が広まってきたときにご自分の信用を失わずに済むということに繋がります。

 

 

SP(パールスペシャリスト) 横田伸之